責任無能力者の賠償責任について=子供が人に迷惑かけた場合=
1 未成年者の子供が損害を与えた場合
たとえば、自分の子供が「友達のゲーム機」を壊してしまったとします。
よく聞かれるのが「子供がやったことだから」という「雰囲気」になるというお話ですが、実際のところ法律の観点からはどうなるのでしょうか
まず「子供が何歳だった」としても、「親が子供のした損害の賠償をする必要がないか」と言えば「全くそうではありません」
2 では子供の責任はだれが取るのか
自分の子供が友達の「ゲーム機など」の「他人の物」を壊した場合、その責任は「親が取る事」になります
法律では「民法第712条」において、「未成年者は、他人に損害を与えた場合において、自己の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない」と定められております
ただし、同法「第714条」において「責任無能力者が、その責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する責任を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定があります。
これらによって、「子供の行為の責任」は「親が取る」ように法律でも定められている事がわかると思います。
そのため、子供が「友達のゲーム機」を壊してしまった場合等は、「責任無能力者を監督する責任を負う者」つまり「親」が責任を負うことになります。
3 責任の取り方は
具体的な責任の取り方は、まずは何より「謝罪」に伺う事からかと思います
直接伺う事で、少なくとも「誠意」は伝わるでしょう
その上で、相手方と「具体的な弁償方法」を協議することが最善な流れかと思います
つまり、少なくとも「ゲーム機を壊した」時点で、「同じ機種の新しいゲーム機を買う」か「修理代を出すこと」が求められると思います
どちらを希望されたとしても、子供が壊した責任として全額親が負担するつもりで話を進める必要がございます
もちろん、相手方が「弁償を求めない」場合もあるかと思います
その場合は、当然、弁償義務は発生しないわけですが、それでも「全額負担する気持ち」を伝える事で、誠意が伝わるかと思います
間違っても、「子供がしたことだから」という無責任な言動は慎みましょう
それは、「壊した側の親」がいう事ではないからです。
合わせて「賠償額を値切る」様な行為も、厳に慎みましょう
この様な失礼な言動により、後々大きな問題に発展する恐れもございます
どこまで補償するかは、被害者側の判断によって異なりますが、少なくとも「礼を失する」ことなく、誠意を伝える事を重視して事に臨むべきかと思われます。