浮気の証拠を「自分で取らない方が良い」法的な理由
1.そもそも「なぜ浮気の証拠が必要」か
お客様ごとにそれは違うかと思いますが、やはり「慰謝料請求」や「親権」等をお考えになれている事から「きちんと」「滞りなく」「法的に」請求を「叶えるため」かと思います。
ただ「言いがかり」「無理やり」「でっちあげ」では「民事」ではなく「刑事事件になってしまう」可能性がございます。
それは、もちろん「脅迫罪」「恐喝罪」に該当するからでございます。
たとえ「本当に浮気していた」としても、「不当に請求されない権利」があり、かつ「相手への請求には裏付けが必要」でございます。
これらのことを満たすために、一般的に「なんとなく」必要だと認識されているかと思います。
2.「法的な」浮気の証拠とは
法的な証拠とは、不貞行為(浮気や不倫のことです)を定めた条文である「民法第770条第1項第1号」の規定に基づいて提起された「過去の裁判結果(判例と言います)」を参考に考えると、一番わかりやすいかと思います。
つまり、①客観的な証拠であること②公序良俗に反しない方法で取得されたこと③強要・脅迫等が介在していないこと等「いくつもの関門」がございますが、これらを「すべて満たしたもの」が「法的な証拠」となり得ます。
決して「自分で」「知人間で」採取したものではないことが、特に②でわかるかと思います。
ご存じではないことの一つに「夫婦間でもストーカー規制法には抵触すること」が挙げられます。
「夫婦だから問題ないでしょう?」とよく言われますが、ストーカー規制法のどこにも「夫婦間であれば減免措置」等とは明記されておりません。
「明文化されていること」が刑事訴訟法上の大原則であるのであれば、「明文化されておらず」また「判例もない」のであれば、当然に「処罰される」と考えて行動した方が無難かと思います。
仮に「例えその場で浮気を認め」「慰謝料請求を受け入れ」さらに「実際に支払った」とします。
もちろん、でっち上げや「違法収集証拠」であることが「その後に判明」したとしたら「後から覆すことが可能」であることは、もちろん誰もがご承知であると思います。
つまり「危険な橋を渡り」「法律の定めを知らず」「自己満足に」得た証拠は、「いつ反訴または提訴」されるかを「いつまでも恐れながら暮らさなければならない種」となってしまうということです。
手間や費用はかかりますが、「適正な方法で」「適法に進めた話」はいつまでも被害者を守ります。
3.「慰謝料請求」や「離婚」「親権」は「何の法律を基に」請求できるか理解しているか
先ほども述べました「民法第770条」の「離婚事由に該当」し、かつ「民法第709条」の「不法行為」に該当する行為に対しては、判例上も「慰謝料請求」を可能とするとなっています。
養育費については「民法第877条第1項」が法的根拠とされており、親権は「離婚する場合においては単独親権」となり、「民法第820条」に基づいて「子どもの利益のため」に「親権者を決定」することとなります。
つまり、「簡単に口で述べている請求行為」ですが、全てにおいて「法的根拠がある」ということは「法律行為であり」さらに「片一方の権利を侵す」または「制限する」行為になりますため、「片一方の主観に頼った証拠」ではなく「第三者視点でも認識可能な証拠」を絶対条件とします。
4.「民法の大原則」の一つ
したがいまして、民法の大原則の一つである「自力救済の禁止の原則」も当てはまることとなりますため、「原則」自力での救済行為は「認められない」ということになります。
たとえば、「その占有を離脱している被害品」を「被害者が発見」し、「自力で占有を奪い奪還する行為」は「窃盗罪として処罰」されると解されています。
この説は似て非なるものと思われますため、もし、「徹底的に罰を与えたい(慰謝料は刑罰ではありませんが)」「社会的な制裁を加えたい」「親権や養育費をしっかりと最後まで支払わせたい」とお考えであれば、「相手方にも人権があること」を十分に理解した上で「法の下の平等」という日本の法理念を基に、しっかりと「味方ではない誰が見ても100対0」となり得る「証拠」であるかどうかを考えて行動に起こすべきと考えます。
5.「探偵に証拠を取ってもらうこと」が「結果として得となる意味」
もちろん、以前も述べましたが「自己満足」で、かつ、「慰謝料や親権者等の権利」については「それほど求めていない」のであれば、別のお話です。
たとえば「ツッコミどころがある証拠」で、「相殺される行為を行なって得た証拠」であれば、「取れるはずであった慰謝料」を「証拠を取るために行った行為によって相殺」される可能性もございます。
また、「もちろん第三者ではなく自分でもない」ただし「友人知人」に証拠収集を依頼した場合、場合によっては「ストーカー規制法違反」に問われる可能性がございます。
もちろん、「夫婦間でも適用」されます。
ストーカー規制法のどこにも「夫婦間であれば減免する」とは書かれていないからでございます。
例えて言うならば、20年少し前までは「DV」ですら「民事不介入」を盾に「警察で取り扱っていなかった」のです。
それが「時代が変われば世論も変わる」わけですので、もちろん現在は「DVとして処罰され」ており、同様に「夫婦間・家族間」だったとしても、犯罪は「一部の除外規定がある犯罪」を除いて「犯罪」として等しく取り扱われることとなります。
なお、参考までに、一部の除外とは「刑法241条・同法244条・同法255条」に規定されている「親族相盗例」に該当する犯罪のことを指し、この様に「除外される場合」は日本の法律は「成文法」ですので「必ず規定が明文化」されます。
この様に「犯罪」「違法行為」によって仮に「証拠を得た」としても、「違法収集証拠」として「調停または裁判」においては「証拠からは除外」されてしまいます。
もしも、「本気で相手に罰を与えたい」場合は「裁判または調停までは覚悟」しておく必要があるため、上記のような証拠であれば「公判維持ができない」ため、「裁判等でひっくり返る」可能性が残されています。
つまり、自分で行うだけで「これだけのリスク」があるわけですので、このリスクを取るよりは、「しっかりと許可を得ている探偵事務所」に依頼をし、「法的に」かつ「第三者視点での証拠」を得て、維持可能な証拠により「しっかりと制裁を加えること」が将来にわたっての「満足」を得れるかと思います。