浮気や不倫に対する「民事執行法改正のメリット その2 財産の情報開示制度」
2021-03-28
令和2年4月1日に改正された「民事執行法」について、前回に引き続き「各財産の情報開示制度」についてお話ししたいと思います。
1 預貯金について
従前は「対象となる口座」が「開設された支店まで特定」して強制執行の申し立てを行う必要がありました。
つまり、「相手が開設した支店」が「わからない場合」は「強制執行ができない」という「非常に限定的な制度」でした。
これに対し、新設された財産開示制度では、金融機関に対し「債務者の口座の有無」「支店」「預貯金額の開示」を求めることができるようになり、「開示された情報をもとに強制執行」が出来る様になりました。
そのため、これまでは「支店が特的できず」に強制執行の申し立てが出来なかった預貯金からも「債権の回収」を図ることが出来る様になりました。
2 社債・株式について
証券振替機構や日本銀行といった「振替機関」や、銀行や証券会社等の「口座管理機関」に対して、「振替社債等の銘柄および金額または数の開示」を求めることが出来る様になりました。
いままで「債務者の善意」により「自ら開示」されたもの「だけ」が回収の対象になっていたため、「悪意ある人物」であれば「そもそも回収が不可能または困難」でありました。
そういった「声を上げれない被害者」を救済すべく、今回の法改正が行われています。
次回は「養育費・婚姻費用の請求権」ならびに「損害賠償請求権」について述べたいと思います。